概要
社会福祉協議会の位置づけ

  社会福祉協議会(以下、社協)は、社会福祉法第109条で「地域福祉の推進を図ることを目的とする団体」として規定されている民間の福祉団体で、全国の市町村に設置されています。全国組織として全社協、都道府県に都道府県社協、そして市町村ごとに市町村社協が設置されており、美作市社協は市町村社協に属します。

  社協は、社会福祉法に規定されている原則1つの自治体に1つしか設置できない「極めて公共性の高い社会福祉法人」です。

  美作市社協は、行政の合併から2カ月後の平成17年6月1日に設立しました。合併後は、美作市社協の本所を旧作東町社協に置き、旧6町村に支所があり地域の福祉事業にあたっています。

  社協の組織は、自治会代表者や民生児童委員、各種団体、行政・議会関係者など市民の代表者で「理事・評議員」が組織されています。行政や市民が経営者として事業計画・予算策定の段階から直接参画し、住民の声が反映される地域住民のための法人・団体ということになります。
 

 

  具体的には、主に次のような活動を行っています。

  1.地域で展開される住民の自主的・自発的な福祉活動の支援。
  2.福祉講座や研修など住民の学ぶ場づくり。
  3.ボランティア活動のお手伝い。
  4.地域の福祉課題の調査・把握。
  5.関係機関のネットワークづくり。
  6.各種相談・生活福祉資金の貸付などの援護事業。
  7.在宅福祉サービス事業。
  8.福祉施設などの運営。
  9. 広報紙の発行やイベントの開催、情報提供活動。
10.共同募金などの活動。
11.地域福祉活動計画の策定。
12.行政などへの提言活動。
13.その他、地域ニーズに応じた様々な事業。

地域福祉とは

  一般に福祉というと、高齢者福祉・障がい者福祉・児童福祉など対象者ごとに分かれたものを思い浮かべる人が多いのではないでしょうか。それは、こうした対象者ごとにそれぞれの法律や制度によって、必要な福祉サービスが提供されてきたからです。
  しかし、地域福祉とは、制度によるサービスを利用するだけでなく、地域の人と人とのつながりを大切にし、お互いに助けたり助けられたりする関係やその仕組みをつくっていくことです。
これからのまちづくりは、子どもから高齢者まで住民の誰もが住み慣れた地域の中で、心豊かに安心して暮らせるような仕組みをつくり、それを持続させていくことが求められています。そのためには、

1.さまざまな生活課題について住民一人ひとりの努力(自助)
2.住民同士の相互扶助(共助)
3.公的な制度(公助)


  の連携によって解決していこうとする取り組みが必要です。
  こうした背景には、それぞれ異なる個性を持った人々が、その個性を尊重しながら他の人や行政などに過度に依存せず自立した生活を送ることができ、その上で互いに協力して、お互いの不足を補い合いながら協働できる地域社会をつくるということが前提となっています。
  地域福祉とは、それぞれの地域において人びとが安心して暮らせるよう、地域住民や公私の社会福祉関係者がお互いに協力して地域社会の福祉課題の解決に取り組む考え方です。
  これからも、地域の社会福祉協議会や民生委員・児童委員は、これら地域福祉の推進役としての役割を果たしていきたいと考えています。

地区社協(地区社会福祉協議会)とは

  地域の問題を解決しようとしても、公的なサービスだけではすべて解決することはできない時代であるとともに、一人ではできることも限られてきます。
  そのため、地域の住民同士が、自分たちが住んでいる地域の生活・福祉課題や困りごとを自分たち自身の問題と受け止め、関係機関や専門機関等と連携・協働しながら解決に向けて協議し、「誰もが安心して共に暮らせる福祉のまちづくり」を目指す地元住民主体の活動組織団体です。

なぜ、地区社協が必要なのか

  地域の住民同士が、自分たちの生活する地域の生活・福祉課題や困りごとを自分たち自身の問題と受け止め、関係機関や専門機関などと連携・協働しながら解決しようとしても、一緒に考えていく場がなければならないし、組織化していなければ、継続して協議することができなくなることが想定されるためです。
  しかし、必ず、新たに組織化する必要はありません。
  地域には、様々な関係機関が参画した組織がありますので、その中に、福祉部会という形で位置づけられているケースもあります。重要なのは、地域の生活・福祉課題の解決に向けて、協議できる場を設け、解決に向けて協議されることだと考えています。
 

地区社協は、何をするの

  地域の住民同士が、自分たちの生活する地域の生活・福祉課題や困りごとを自分たち自身の問題と受け止め、関係機関や専門機関などと連携・協働しながら解決に向けて一緒に考え、実行していくことが目的です。
  そのために、地域の状況にあわせて、以下のような活動が展開されています。

 

ふれ合う ・・・ ふれあいサロン、食事サービス、リハビリ教室、交流会など
学ぶ ・・・ 福祉講座、福祉講演会、ボランティア養成講座など
支える ・・・ 地区ボランティアグループの支援など
見守る ・・・ 見守り活動、声かけ運動、助け合いシステムなど
知らせる ・・・ 地区社協だよりの発行など
募る ・・・ 賛助会費、共同募金、バザー開催など


地区社協活動のポイント

1.    生活・福祉課題を発見し、共有する⇒早期発見・連絡の仕組みづくり
2.    生活・福祉課題の解決に向けて行動する⇒主体的に解決に向けた行動
3.    制度・サービスを活用・改善・開発する⇒社会資源の活用・開発
4.    行政、専門職・機関等と連携していく⇒地域と専門職とのネットワーク
5.    制度や資源への提言・提案⇒ソーシャルアクション(社会的活動)
6.    自らの目指す「まち」を想像し、それに向けた行動計画をつくる
7.    行動計画に基づき、「まち」づくりを実践し、ふりかえる(評価する)


上記のような活動により、地域の福祉力を高めていくことが重要です。
誰もが安心して暮らせるまちに、地区社協は欠かせない!

  社協は、住民や関係機関等と一緒に、誰もが安心して暮らせるまちづくりを目指すため、地域福祉の推進を使命とする民間の福祉団体です。
  しかし、社協だけでは限界があり、誰もが安心して暮らせるまちにすることはできません。
  そのため、住民の方からの「声を聴き」、住民と「共に考え」「共に支え」「共に動く」を基本として事業展開していますが、その1つに地区社協が必要ではないかと考えています。
  地区社協は、地域住民とのつながりを構築するとともに、地域で考え、実行していく仕組み(組織)であり、社会福祉協議会は、地区社協を地域福祉推進の基礎組織として位置づけ、地域福祉の推進をしていこうと考えています。

社協と地区社協の関係性(役割)

  社協は、地区社協を地域福祉推進の基礎知識と考え、車の両輪となって協働し、地域の生活・福祉課題を把握し、一緒に考え、解決に向けて取り組んでいきます。
  そのため、地区社協の組織化や意見・情報交換、資質向上に向けた取り組みなどにより、地区社協が活動しやすくなるような支援をするとともに、専門職・機関等との橋渡しを行います。